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スリーピング・ボイス LA VOZ DORMIDA [CINE]

スペイン内戦が終わり、フランコ政権の下、弾圧された共和国派の人々を描いた映画はお休みの日の午前中に見るには、あまりに重かったな。共和派だという理由で刑務所に入れられた妊娠している姉と、姉を助けるために必死の妹。神様に仕える身である修道女たちの残忍なこと。暴力に慣れてしまった人々の恐ろしさ。本当にそういうことがあったのだから、知っておくべきなのは分かっていても、最近、特に気持ちがついていけなくなっている。今でも恐ろしい出来事が世界中で起きているからなのか、それとも年を重ねて、そういうことに心がついていけなくなってしまったのか、分からないけれど・・・。なんだか疲れてしまったのでした。そんな訳で、映画を見た帰り、ブラジル音楽のCDを大人買い!?してしまいました。それから駅前にあったNEAL'S YARDにふらふら引き寄せられて、切らせていたイランイランのエッセンシャル・オイルとぴんくのハーブティーをゲット。素敵な音楽とやさしい香りと熱いお茶が一番!!
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ル・コルビュジエの家 EL HOMBRE DE AL LADO [CINE]

ようやく手元にある仕事がだいたい片付き(来週またどかっと増えるけれど)、とても面白い映画を観たので久しぶりにブログ更新。

ル・コルビュジエと言えば、彼が設計した上野の西洋美術館も世界遺産にしようと活動中のようですが、この映画の舞台は南米では唯一のル・コルビュジエが設計した邸宅、クルチェット邸が舞台(こちらも世界遺産登録を目指し準備中とか)。それだけでも、興味津々ですが、この邸宅以外にもアルゼンチンの新進デザイナー、ディエゴ・バチスタのプラセンテーロ・チェア等、ストーリー以外のところでも見どころタップリ。

クルチェット邸に住む世界的な椅子デザイナーのレオナルドと、とても変わった隣人の物語です。隣人ビクトルが部屋に太陽の光を入れたいと、レオナルドの家に面した側の壁に穴を開けて窓を作ろうとするのですが、それを拒むレオナルド夫妻の騒動が始まり・・・。ラストがちょっとガクッときましたが、アルゼンチン映画らしいといえば、らしいかな。残念なことに今日が最終日。今朝、メールで情報を頂き、駆けつけて観て良かった!!

映画のサイトに出ていたこぼれ話。”世界遺産への申請を準備中といわれる私邸で、映画を撮影するなんて可能なのか? (略) 建築家でもあり、ラプラタの出身である脚本のアンドレス・ドゥプラットは、クルチェット邸の近所に住んでいて、建築雑誌にもル・コルビュジエとクルチェット邸について執筆したことがあるほど。 「隣人問題」のドラマ(自分の経験をもとに書いた物語)を考えた時に、家をクルチェット邸にすれば、物語は増幅するし、この建築の存在も知ってもらえるではないか、と企画段階で建築家協会に持ちかけたところ「それは、いい!」と、あっさりオーケーが…。 「他の国ではどうか分からないけど、アルゼンチンだからね」”

こういう日本ではほぼありえないようなことが、ラテンの国ではあるんですね~。コスタリカでアポなしでいろいろな方にお会いでき、資料集めに協力して頂いたことを思い出しました。

私が、生きる肌  La piel que habito [CINE]

先週、ついに『私が、生きる肌』を観ました。「ついに」というのは、去年、マドリッドに行った時、友人を誘ったら「あの作品は観なくていい」と却下され、その後ラテンビート映画祭でも見損ない・・・予告編を見ると何だか『テシス』みたいな恐ろしい映画にも思え・・・アルモドバル作品で、バンデラスも出ているし・・あぁ・・でも怖そう等、ぐずぐずしていたところ、同僚がつきあってくれる、と言うので先週のレディースディに観たのでした。

まず、想像していたほどには恐ろしい映画ではありませんでした。アルモドバル映画らしさ満載で、ストーリー以外の舞台の小物たちも凝りに凝っていて、映画の後、しばらくネット検索することになってしまいました。

まず気になったのは、外科医に誘拐されたビセンテが働いていたお店!お店の前の道、通ったことがある気がしてなりませんでした。でも、似た場所もあるし、確信するほどでもなかったのですが・・・そして調べてみたらサンティアゴ・デ・コンポステラの旧市街、Rúa do Vilarでした!数年前の夏休みに1ヶ月ほど滞在した街なので、やはり歩いたことのある道でした。ついでに、そこで撮影した日は2010年の8月。その年、サンティアゴ・デ・コンポステラはヤコブ年(聖年で、その年にサンティアゴを巡礼すると全ての罪が許される)特別な年でした。(ちなみに次のヤコブ年は2021年)。つまり、旧市街の撮影された道にあるお店はかきいれ時。ところが、そんな時に撮影のため、本来は大賑わいのはずの通りが封鎖されたので、お店の人たちは大ブーイングだったとか。。

と・・撮影はガリシアでも行われたのですが、さすが、アルモドバル!そこに使われる食器までガリシアのSargadelosを使っています。
salgadero.jpg
写真はコルーニャで購入したSargadeloです♪

俳優さんたちの衣装もSybilla, Adolfo Dominguea, Zaraなどスペインブランドが。映画の中で重要なアイテムになるワンピースはイタリアだけど(ドルチェ&ガッバーナ)。

もちろん、家のインテリアとして登場する絵画や音楽も、そして、外科医の自宅として使われたトレド郊外の家もスゴイ!

そんなこんな、でストーリー以外にも見どころが多い映画でした。

あ、もうそろそろ出勤しなければ!!

ロスト・アイズ Los ojos de Julia [CINE]

2週間前、私のクラスにビザが下りるのに時間がかかった季節外れの新入生が来ました。コロンビア人です。彼は映画を観るのが好きだと言うので、好きな映画を尋ねると、"Los ojos de Julia"、と。知らない映画だったので調べてみると、日本語のタイトルは『ロスト・アイズ』。6月に公開され、DVDは発売されたばかり。その上、ホラーです!!これは私向きじゃないなと、思いつつ映画の説明を読むと、『パンズ・ラビリンス』等を撮ったメキシコのGillermo del Toroの制作。監督は若手のGuillem morales。Guillermo作品は、怖いのだけれど、とても凝った作りで、いつも何かすごいなと思うところがあり、今回は監督したわけではないけれど、DVD、借りてみました。でも、ホラー作品って借りるところからドキドキ緊張します。そして、こういう作品は絶対に夜は見ません。という訳で、今日は朝からホラー映画を観ました。

物語は病気で視力を失いつつあるフリアと双子の姉妹であるサラの死から始まります。警察も周囲の人もフリアよりも先に盲目になったサラが視力を失ったことに絶望して自殺したと思うのですが、フリアはサラが自殺したと信じられず、その真相を調べてていくうちに・・・。そう、次々と怖いことが起こるのです。こういう映画を見ていていつも思うのですが、主人公はどうして怪しげな人影をわざわざ追いかけたり、人が二人も亡くなった家にお医者さんのアドバイスを拒否してまで、術後の不自由な目の時に泊まったりするのでしょう?私だったら、怖そうな人をわざわざ追いかけないし、暗い地下室に一人で降りていったりしないし、お医者さんが入院していた方がいいと言ったらおとなしく入院していると思うのですが。

この映画、最後はちゃんと謎もとけるし、他のGuillermo作品のようにちょっとファンタスティック?な結末になっています。また、単純なホラー作品というよりは、登場人物たちの複雑な心理を扱っているところも見どころかもしれません。スペインでは2週連続興行成績1位だったとか。


友よその罪を葬れ Un buen hombre [CINE]

リスト攻略シリーズ、第二弾。こちらも劇場未公開作品。

仕事上、贔屓にしてくれる上司でもあり、親友でもあるフェルナンドが彼の妻を殺害しているところを偶然目撃してしまうビセンテ。しかもフェルナンドもビセンテも大学で法学を教える立場。ビセンテは友情をとるか、正義をとるか苦しむ、というストーリー。

これは確かに難しい選択。ビセンテの場合、友情プラス自分の出世もあり、結局、友情を選択するのですが、その選択のせいで、更に泥沼にはまっていきます。

テレビのサスペンスドラマのような感じで、DVDを借りて家で観る分には損した感じはしません。でも、出世をめぐるライバルが個人の研究室の鍵をかけた引き出しにしまったはずの「証拠品」を何故か手にしていたり、それを見つけたことを警察に言う前に当事者の前に現れたりと、ちょっと変だなぁと思いました。

さて、「友情か正義か」。これは、苦しい選択ですね。この映画の場合、犯罪者は親友ですが、これが家族だったら、もっと辛い選択。もし、自分にこんなことが起こったら・・・。やっぱり最初はビセンテみたいに「沈黙」を選ぶかな???でも、時間が経つうちに、自首するように説得するかな???

このところ、オリジナルのタイトルの方がいいな、と思うことが多いですが、こちらもスペイン語の通り、『善人』みたいなタイトルにした方が映画にあっているような気がします。


最終爆笑計画 Spanish movie [CINE]

先日、学会のS氏の発表で「日本語の字幕がついているスペイン語のDVDリスト」なるものを頂きました。これまで、日本で観られるものはホラー以外大体観ているつもりだったのですが、未公開でDVDにだけなっている作品、随分たくさんあったのですね。このリスト、私の身辺の映画好きの人たちを「めらめら」させてしまいました。私も近所で借りられるものから少しずつ、攻略中。

そんな中の1本、『最終爆笑計画』。「コメディー」に分類されていますが、正直、私はこういうタイプの悪ふざけに全然ついていけません。何がおかしいのかサッパリ??早送りをたくさんしながら観ました。唯一、興味深かったのは、もともとのタイトルが"Spanish movie"というだけあって、スペインの有名な映画のパロディの連続なので、もとの映画のシーンと比べることかな。スペイン映画をたくさん観ている人と一緒に見たら楽しいかもしれません。私が気づいたのは『永遠のこどもたち』『パンズラビリンス』『ボルベール』『モルタデロとフィレモン』『オープンユアアイズ』『アザース』。

ノエル・ホーザ~リオの詩人 Noel Rosa o poeta da Vila e do povo [CINE]

今日からブラジル映画祭が始まりました。先週、中原仁さんの解説の予習会に参加して、一刻も早く観たくなり、初日に行きました。ノエルの映画のオープニングの"São Coisas Nossas"からぐっときます!Noelの作品でいくつか大好きな曲がありますが、映画では今まで知らなかったNoelの素敵な曲がたくさん!それに、Ivan LinsがNoelのONDE ESTA A HONESTIDADEをギターで弾き語りするところも良かったし、やんちゃなNoelのたくさんのエピソードもとてもおもしろかったです。また、この映画の中で一番登場が多いZe Renato、今まで知らなかったのですが、とても声が美しくうっとりするくらい素敵!家に帰ってから早速CDを注文しました。でも・・・本当に欲しいCDは在庫切ればかり・・・。YouTubeでいくつか見つかったものをダウンロードしたりしていたら、すっかり夜更し。明日は日曜日だから、いいかな。。この映画、DVDにならないかなぁぁぁ!!!!!!映画館でEちゃんに会ったので、帰りはおいしい西安料理を食べて帰ってきました。幸せな週末なのでした[るんるん]

幸せパズル Rompecabezas [CINE]

昨日、映画の日だということに気づき、ちょっと予定を変更して『幸せパズル』を観に行きました。チラシを読んだときは、ステキな映画そうだなぁ~と思ったのですが・・・。

映画の中で話されるアルゼンチンのスペイン語はおもしろいし、マリアの家族のだんらんの場面に何気なくマテ茶が出てきたりするのはいいのですが、マリアに全く共感できず、見ていていや~な感じがしました。

広告ではマリアのだんなさんヒドイ人なのかと思ったけれど、それ程ではなく、一生懸命に働く普通のお父さんという感じ。息子たちも特別優等生でもないけれど、普通の青年。お金の苦労もなく、マリアは普通の幸せな主婦だと思います。でも、家族がいれば、全部が自分の時間ではないし、思い通りにならないこともあるでしょう。自分の好きな事=パズルを家族に隠れて真夜中にしたりして、「主婦って大変だな~」と前半では思ったりしたけれど、家族に嘘までついて出かけたり、思っていることをぐちぐちと内に秘めている感じが好きになれませんでした。

そもそも、この映画のタイトルも、原作通り『パズル』にでもしてあれば、観た後にこれほどがっかりしなかったと思うのですが、わざわざ「幸せ」をつけて、いかにもハッピーな映画のように宣伝されると、「嘘つき!」と言いたくなります。この映画で幸せなのはマリアだけなのではないでしょうか・・・。それとも、この幸福感、専業主婦になったらわかるのかな?????

MISS BALA 銃弾 [CINE]

映画祭東京編、最後の映画。バイオレンス・ムービーは後で怖い夢を見るかもしれないから見ないことにしています。この映画も初めは見るつもりはなかったのですが、映画館についてからリーフレットを見ると実在するミスコン女王の事件がベースになっている、と書いてあったので気が変わりました。

ミスコンに出場する予定だった普通の女の子がお友達と一緒にクラブにいたところ、犯罪現場を目撃してしまい、それを訴えた警官も犯罪組織とつながっていて、どんどん追い詰められていくというストーリー。メキシコの現実を知らしめるために撮影された映画です。

警官も役人も腐敗していて、まともなことを言おうとすると命を狙われる・・・。でも、そんな国から逃げることもできず暮らしていかなければならない人たちが、今、一体、どのくらいいるのでしょう。同じような映画を何度となく見たことがあるような気がしますが、状況は良くならないように思います。こんなことがなければ、メキシコも他の中南米も豊かな自然に恵まれ、遺跡もあり、素晴らしい音楽もある魅力的な場所なのになぁ。

映画を観ながら思ったこと・・・。主人公のラウラは若くて美人だったから犯罪組織の悪事に加担するように強要されたけれど、私が目撃者だったらその場で殺されていたに違いない。

最後の映画が重いテーマだったので、疲れました。

マルティナの住む街  Primos [CINE]

日本語のタイトルよりスペイン語のPrimos(いとこたち)の方がピッタリ。結婚式をドタキャンされたディエゴを慰めるためにいとこのフリアンとミゲルが若い頃に過ごしたComillasという村を訪れるお話。Comillasの街並みもきれいだし、全く違うタイプの3人がそれぞれいい味を出していて好感が持てます。私が一番好きなのはミゲル。ディエゴの昔の彼女の息子とのやりとりが愛らしいです。お祭りで3人が昔のように歌う場面も楽しいです。

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