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雨さえも~ボリビアの熱い一日~ También la lluvia [CINE]

昨日、東京のラテンビート映画祭が終わりました。最終日になんとか3本、観ることができました。

まず『雨さえも』。最初から最後まで目が離せない作品でした。コロンブスの新大陸発見の映画を撮るためにボリビアを訪れたスペインの映画関係者たちがボリビアの水戦争に巻き込まれていくお話です。「水戦争」とはボリビアで実際に起きたことです。1999年、ボリビアで水道事業の民営化に伴い、アメリカの会社がボリビアに入りました。すると水道料金が200%も値上げされ、それに反発した住民たちがデモを行い、政府と衝突。多くの犠牲者が出ました。

映画の最初の方ではプロデューサーのコスタが「英語の映画にしていれば予算が2倍くらいとれたのになぁ~」とボヤいたりして、スペイン語圏の映画関係者のジレンマが伝わってきたりしておもしろいなぁと思っていました。『フリーダ・カーロ』とか『宮廷画家ゴヤは見た』とかって、スペイン語の方がいいに決まっているのに英語の作品なのを残念に思っているので、映画関係者ならもっともっと残念に思っているハズですよね。そういう映画作りへの興味から、次に文化摩擦に目が移ります。

映画の中で南米大陸に元々住んでいた人たちの役をボリビア人の素人から募ります。そこで、監督のセバスティアンの目にとまったのが眼光鋭いダニエル。コスタが「アイツは問題を起こすに決まっているからやめとけ」というのをセバスティアンが押し切って採用。でも、案の定、水戦争のデモの先頭に立って逮捕されたりと映画の撮影に支障が出ます。そのダニエルと映画スタッフとのやりとりもはっとさせられた場面がいくつもあります。例えば、映画を撮り始めた頃、コスタのところに英語の電話が入って、コスタは側にいるダニエルは英語がわからないと思って「ここの(ボリビアの)スタッフは一日2ドルでも大喜びだよ。安上がりで助かる。」というようなことを話します。でも、ダニエル、アメリカで働いたことがあって、英語がわかり、「お前も他の欧米人と同じだな」と言います。コスタは悪気はなかったのですが、自分の言葉の無神経さに気付き、その晩、ダニエルの家に謝罪に行きます。こういうこと、私も気づかないうちに言っているかもしれません。物価の安い国に言ってあからさまに「安い!」と大喜びしたりするのって、実はすごく失礼になるかもしれません。もうひとつ、ダニエルがセバスティアンをたしなめる場面がありました。それは、インディオの赤ちゃんを水に沈めるフリを撮影しようとした時です。セバスティアンは赤ちゃんを実際に水につけるのではなく、人形を用意し、「フリ」だけしてくれるように頼むのですが、インディオの女性は頑なに拒否します。セバスティアンには何故彼女たちが拒否するのかわかりません。私もわかりません。でも、それが文化の違いなのだと思います。だから、理解できないからと言って腹を立てること自体、おかしいのです。ダニエルはセバスティアンに「撮影よりも重要なことがある」というようなことを言いますが、その通りです!!

さて、映画スタッフは水戦争の為、撮影を続けられなくなっていくのですが、最初はダニエルの採用も反対していたコスタは、命の危険があるのに、ダニエルの娘を助けに行ったり・・・最後の方は泣けます!!

この映画はDVDになったら絶対欲しいなぁ~。

機内映画館2011夏 [CINE]

私は飛行機に乗るのが大好き。楽しみのひとつは機内映画です。だいたい、出発前日は手元の仕事を片づける、とか旅先での最終日を満喫するとかで寝不足または全く寝ていないことが多いので、ヨーロッパ線片道3本みられたらいいかな~。

今回の帰り、久しぶりに香港映画を見ました。ジョニー・トー監督の『Don't breaking my heart』。テンポのよいラブコメで、広東語の響きも心地よく、眠気もさめたのに!!なんと、ペットにしていた大切な蛙の生きるか死ぬかという、ものすごくハラハラする場面で、「着陸準備のためシートモニターのサービスを終了させて頂きます」というアナウンス。まだ日本ではDVDにもなっていないみないだし(涙)しばらく離れていた香港ムービー。他の作品も観たくなりました。

今回のフライトで他に観た映画
赤ずきん ☆☆
心臓が走る ☆☆
Just go with it ☆☆ 映画の真ん中を寝てしまってちゃんとみていないけれど・・・
パイレーツ・オブ・カリビアン ☆☆
The suicide forecast ☆☆☆
Don't breakin my heart ☆☆☆☆

そうそう、映画と関係ないけれど、機内のモニターをスタートさせた時、スロットマシーンみないなのが動いて、「ラッキーナンバーです」と文字が出ました。何だか怪しいメールみたいだったのですが、降りる直前に景品のイアホンを頂きました。こんなことは初めて。幸運の兆し!?ということにしておきましょう。

ビューティフル BIUTIFUL [CINE]

先月からずっと観たかった映画、やっと観に行けました[黒ハート]「死(あるいは生)」がテーマで、決して楽しい物語ではないのですが、秀作!!心に響く作品です。生活の為には、たとえ違法であってもどんな仕事でもしてきたウスバルが癌で余命2カ月ほどだと告げられてから亡くなるまでのお話。舞台はバルセロナ。

この作品はAlejandro González Iñárritu監督がインタビューで述べているとおり、スペインが現在直面している現実の問題を扱ったドキュメンタリー的な部分がたくさんあります。セネガルや中国からの不法移民の問題。バルセロナだけではなく、ヨーロッパでは不法移民の問題は深刻です。ジブラルタル海峡を渡り、モロッコへ行くフェリーに乗るためにアルヘシラスという街に行った時、目の前に迫るように見える「アフリカ大陸」の近さにわくわくしたことがありました。その「近さ」から、今にも沈みそうなお粗末なボートで不法にヨーロッパに渡ろうとするアフリカの人が絶えません。中には小学生くらいの子供もいて、その無謀な旅の途中に命を落とす人もたくさんいます。そして、たとえ無事にスペインに渡って来られたとしても、いつ捕まるか、どうやって生活するのか、常に怯えながら、心配しながら暮らさなければなりません。そういったスペインの現実を見せてくれるだけでも、大きな意味があります。私はほんの少しの間、バルセロナに住んだことがあります。私にとってバルセロナは街を歩いているだけでスキップしたくなるような素敵な街です。素晴らしい建築が街のあちらこちらにあり、活気のある街です。でも、一方でこの映画に描かれているような、混沌として危険な匂いのする地域があるのも事実です。そのことを知っていても、「怖い場所」にはなるべく近づかない、見ないようにしていました。港に近いところにとても安い公立の語学学校があり、大学のコースがお休み中の1カ月だけ通ったことがあります。その時も、大きな道を速足で通り抜け、いつものウロウロ癖は封印していました。でも、この作品では、これでもか、というほど、そういう場所を見せてくれます。

そして、この映画のメインテーマ、「死」。¿En qué nos convertimos cuando nos morimos? En la memoria de los otros.(私たちは死んだら何になるのだろう?他の人たちの記憶になるんだ。)そんな風に監督がインタビューで話していました。主人公のウスバルは愛する子供たちに自分が子供たちを愛して生きたという証を残そうとします。そして自らも亡くなった父親、生きている時の顔も見たこともない父親のことを考えます。そして、この映画のラストシーン。ウスバルは若くして亡くなった父と会います。大切な人やペットを亡くしたことのある方なら恐らくものすごく共感できる場面ではないかなぁと思います。少なくとも私は、何度も似たような光景を想像したことがあります。そして、監督が言っているように、亡くなってしまった大切な彼らの「体」はなくなってしまっても、私の心の中でずっと生き続けているといつも感じています。

そして、この映画のタイトル。『ビューティフル Biutiful』。きっと誰もが何で間違ったスペルのタイトルなんだろう、と思うと思うのですが、何故か映画のプログラムにも、ホームページにも説明が出ていないのです。一番最初に出てきてもいい質問だと思いませんか??それで、監督のインタビューを探していたら、CNN en españolのインタビューがありました!!それによると、当初この映画の仮タイトルは『La memoría de los otros(他人の記憶)』だったそうなのですが、映画が出来上がってからタイトルを決めることを好む監督が、短く、世界中の誰でもわかる語であるという条件のもとに思いついたのがこのタイトルなのだそうです。世界中で上映されることを考え、ヘンテコな邦題をつけられたりするのが嫌だったそうです。そして、『ビューティフル』というのは子供が英語の宿題をしている時に「ビューティフルってどうやって書くの?」と父親に聞く場面があるのですが、その時、父親は死を目前にして厳しい状態にいます。『ビューティフル』は子供と過ごす幸せな場面と彼の辛い状況との対立を表現しているのだそうです。それにしても、何故、間違ったスペルで?という疑問ですが、スペイン人は英語の発音が悪くて、スペイン語風に話してしまうのが微笑ましい感じがするし、「聞こえるとおりに書けばいい」と言って間違ったスペルを教えることで、ウスバルが粗野で教養があまりない人だということを示したとか。

わ、そろそろ寝ないと明日、遅刻してしまうので、この辺で終わりにしておきましょう。また観たい映画でした。

ジュリー&ジュリア Julie & Julia [CINE]

放射能事故のレベルが上がったり、また大きいめの地震があったりで落ち着かず、今週もまだ授業がないので発表会の練習をしたり、DVDを見たりして現実逃避気味の日々です。そんな中、見逃してしまっていた『ジュリー&ジュリア』を見ました。本格的なフランス料理を家庭で作れるというベストセラー本を1961年に出版した実在の人物ジュリアと、彼女のレシピ本にあるお料理を作り、その様子をブログに書きつつ、自身も成長していく、こちらも実在の人物ジュリーのお話。

メリル・ストリープが演じるジュリアもエミー・アダムス演じるジュリアもとってもチャーミング!特にジュリアのいつもおおらかで明るく、でも、夢中になると山のように玉ねぎをきざんだりするところが良かったです。私も「ボナペティ!」と言いたくなります。やっぱりおいしいものは人を幸せにしますよね。どんな時も。映画に登場するお料理、自分でも作ってみたくなりました♪まずはポーチドエッグから!?

悲しみのミルク  La teta asustada [CINE]

若きペルー女性監督、クラウディア・リョサの作品。昨年ノーベル文学賞を受賞したバルガス・リョサの姪だそうです。2009年のベルリン映画祭で金熊賞を受賞したということですが、地味な作品です。個人的には、ペルーの文化もよくわかっておもしろいと思いましたが、観た人がみんな「おもしろい!」と言える作品ではないような気がします。

80年代から20年続いたペルーの内戦中、ひどい暴力を受けた女性の娘が母の母乳を通して、その恐怖が伝わり、「恐乳病」になってしまったと信じる先住民の美しい娘、ファウスタの物語。ファウスタは母から伝えられた記憶のために、ひどい男性不信になり、男の人と道ですれ違うことにさえ、恐怖をおぼえてしまう。それでも、亡くなった母を故郷の村に連れて帰り、埋葬する費用を稼ぐために裕福な家のメイドになります。そこで、心優しい庭師のおじさんや、ヒステリックなピアニストの雇い主などと交流していく・・・というお話です。

いくら男性不信だからと言って、ファウスタのとる行動は、なかなか理解に苦しむ部分もあるのですが、いろいろな家具やプレゼントを持った人々が派手な音楽とともにやってくる結婚式の様子や、長い長い階段を上がった所にあるファウスタがお世話になっているおじさんの家がある地域など、興味深く見ました。

それから、裕福な雇い主の行動も、もしかしたらペルーでは少なからず、あった出来事なのかもしれません。ファウスタの歌に惹かれた雇い主のピアニストは真珠ひとつぶと交換に歌を聴かせてもらいます。ところが、何しろピアノを庭に投げ捨てて壊してしまうようなヒステリックで嫌な感じの女性です。ファウスタから聴いた曲を、まるで自分が作ったかのようにコンサートで演奏し、その上、ファウスタの歌をピアノで弾いたことが他の人にバレないように、約束の真珠も渡さないで彼女を解雇してしまいます(怒!)

ああ、それにしても、ファウスタちゃん、もう少し明るい性格だったら良かったのになぁ。せめて呼ばれたらお返事くらいはしないと・・・。
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愛する人 Mother & Child [CINE]

昨日の2本目は『愛する人』。ロドリゴ・ガルシア監督(コロンビア)の活動拠点はアメリカなので、こちらも英語作品。ラテン・ビートでも観られず、Bunkamuraに行こうとしたら、もう終わっていて、DVDか・・と残念に思っていたら、幸い新宿で1日1回だけ上映してました♪

14歳の時に産んだ娘を母親に養子に出されてしまってから37年たった母カレンと、養父母ともうまくいかず、17歳からたった一人で生きてきたカレンの娘エリザベスを中心とした物語。

ハッピーエンド好きの私は、ナオミ・ワッツ演じるエリザベスが全く救われなくて、ヒドイじゃないか~!というのが一番の感想。でも、評判がいい作品のようです。スペインのEl Mundo紙には「ロドリゴ・ガルシア監督、『愛する人』で、(ノーベル賞作家の)父の影から出る」という見出しと監督へのインタビューが出ていました。・・・有名人の子供はいつも親と比較されて大変ですね・・・本人はハリウッドで仕事をする人の半分は有名人の子女だし、父が有名人であることと自分のキャリアには全く関係がないと言っていますが、しつこく『100年の孤独』を扱う気持ちはないか、とか名字が重くないか等々、質問されていてちょっと気の毒。肝心の映画についてですが、描きたかったことは、養子の問題ではなく、もう二度と会えない人に対する切望なのだそうです。これは見事に描かれているかもしれません。でも・・・年老いた母と二人暮らしの時、偏屈なカレン、全身にとげが生えているようなエリザベスは、後の変化と対照的なものにするにはいい描き方だと思うのですが、独女の私としては、ちょっと悲しいしオソロシイ。もしかしたら、私にも自分で気づかないトゲが一杯あるかも??????エリザベスが盲目の少女と心を通わす所に救いが見いだせますが、エリザベスにもっともっと幸せになって欲しかったなぁぁ。

アレクサンドリア AGORA [CINE]

今日は水曜日!観たい映画の上映館が近かったので、2本、観ました!まずお昼前に『アレクサンドリア』。若き監督、アメナーバル、恐るべし!これまでの作品も全て成功していると言っていいと思うけれど、個人的にはそれ程好きじゃなかった。『テシス』は残虐だし、『オープン・ユア・アイズ』も『アザーズ』も怖いし、『海を飛ぶ夢』は安楽死というテーマが重すぎ。今回の『アレクサンドリア』も悲劇ではあるけれど、彼の作品の中では一番好きなものとなりました。

物語は実話に基づいていて、舞台は4世紀のエジプト、アレクサンドリアという伝説の都市。主人公は美しく聡明な史上初の女性天文学者、ヒュパティア。その時代に既に地動説を考えていたらしい。彼女に惹かれる男性は多いけれど、彼女の頭の中は哲学と天文学のことばかり。そんな彼女がローマ帝国が崩壊していこうとする時代、ユダヤ教とキリスト教の戦いに巻き込まれていくとうストーリー。撮影はマルタ島で行われたそうですが、ヨーロッパ映画史上最高の制作費をかけたというだけあって、迫力満点の画面!(絶対、映画館で観るべし!?)。それから、『空を飛ぶ夢』の時に、主人公自身が飛んでいる時に見るであろう景色のシーンがとても印象的でしたが、それに通じるところがあるような、空から、宇宙から地上を見ているような映像がとても良かったです。監督が時空の旅をしているように感じて欲しかった、と述べていましたが、まさにそんな感じ。そして、古い時代の出来事なのに、現代人にも共感できることもすごく多い。そのひとつが人種や宗教、性別に関わらず、地球に生きる人は皆、等しいという強いメッセージ。あ、それから、この作品は二人の男性の押さえられた強い彼女への愛情も見所!ひとりはヒュパティアの元教え子で、後にアレクサンドリア長官となるオレステス。最初のうちは上流階級の気障で傲慢な感じ悪い男なのですが、ヒュパティアに振られてからも、彼女の自由を尊重して見守り、キリスト教勢力が強まり、彼女が危なくなった時の彼はステキでした。もうひとりは彼女の元奴隷のダオス。奴隷の身分から逃れるためにキリスト教になり、ヒュパティアを糾弾する側にいるのですが、人に知られない形で彼女を守ろうとします。

本当、おもしろかった!残念なのは英語の作品なので、授業では使えないこと(笑)。そういえば、映画を観てる時、地震がありました。新宿は震度2だったらしいのですが、ビルの9Fはかなり長い間ゆ~らゆ~ら揺れていた感じがしました。周りを見渡しても、ざわざわする人もいなかったけれど、こういう時、震度いくつくらいだったら、映画が止まるのかなぁ。途中で避難したら、その後、どうなるのかなぁ、なんてちょっと思いました。

『イル・ポスティーノ』と詩の朗読 [CINE]

先週末のことですが、野谷先生のエッセーに映画『イル・ポスティーノ』のことがちょっとだけ書いてあったのを読んで、久しぶりにこの映画が観たくなり、DVDを借りました。今、ノーベル賞のニュースがたくさんメディアを賑わせていますが、1971年にノーベル賞を受賞したチリの詩人であり外交官でもあったパブロ・ネルーダとイタリア人のマリオ青年の物語。ネルーダは共産主義者だったので国を追われ、イタリアで亡命生活を送ります。その時、村から離れたネルーダの家に郵便を届ける仕事をしたのがマリオ。イタリアの片田舎の小さな島の世界しか知らなかったマリオがネルーダとネルーダの詩に出会うことによって、世界を発見していきます。その姿は驚くほど純粋で、イタリアの美しい風景ともぴったり合っています。マリオがネルーダのために島の美しい音を録音する場面が特に好きです。すご~く泣ける映画です。

DVDを観終わって、ネットで映画音楽を検索していたら、この映画の音楽を背景に、スティングやマドンナ、アンディ・ガルシア等などの有名人がネルーダの詩を朗読しているCDがあることを知りました。ネルーダはチリ人ですから、もちろんオリジナルはスペイン語なのですが、英語に翻訳されたネルーダの詩も、力のある人が朗読すると、文字から羽ははえたように飛び立っていくことを強く感じるほど、素敵な朗読です。それで、スペイン語でも誰か素敵な朗読をしていないかなぁ、と探してみたら、歌手のAlex Ubagoの素敵な朗読がありました♪
『20の愛の詩とひとつの絶望の歌』(Veinte poemas de amor y una canción desesperada)から・・

http://www.youtube.com/watch?v=EJXraRqi6eQ&feature=related

この同じ詩の『イル・ポスティーノ』英語版朗読はアンディ・ガルシア。これもしびれます~。

http://www.youtube.com/watch?v=zXHPk-ctoYY


本当は詩の全体を書きたいけれど、長いので、一番響いたところだけ・・・
Es tan corto el amor, y es tan largo el olvido
(Love is short, forgetting is so long)
愛はこんなにも短いのに、忘れることはこんなにも長い時がかかるものだ(センスのない訳でスミマセン)

マドンナの朗読で"Si tú me olvidas"(If you forget me)も良かったです。

http://www.youtube.com/watch?v=T5yADgMzGJo




永遠のこどもたち  El Orfanato (2007) [CINE]

怖かった~!!『パンズ・ラビリンス』を撮ったGuillermo del Toro監督の作品なので、見たいと思っていたのですが、見逃していた作品。同僚がDVDを持っていたのでお借りしました。でも、こんなに怖いのなら、明るい時に観れば良かったなぁぁ!

物語はかつて孤児院だった古いお屋敷が舞台。将来、孤児院を作ろうとしている夫婦と養子の男の子が住んでいるのですが、ある日、その男の子が行方不明に!孤児院で昔殺された子どもたちの霊に連れていかれてしまった?・・・というお話。ラストも『パンズ・ラビリンス』を彷彿させるような、悲しいけれど、ある種のハッピー・エンドの形で締めくくっていました。最後まで見ると、ピーターパンのネバーランドの子どもたちがいるようなシーンで怖くないけれど、映画の大部分は「幽霊」ですから、本当に怖い!!!でも、真相が知りたいから、途中で止めるわけにもいかず・・・怖すぎて心臓が痛くなりました。明日は月曜日だというのに・・・とほほ・・・。でも、すごく上手くできている映画だと思います。

ルイーサ Luisa [CINE]

最近、質の高いアルゼンチン映画を見る機会が増えたような気がします。「ルイーサ」もまさに大人のための秀作!?ストーリーに派手な見せ場は一つもないし、特撮があるわけでもなし、有名俳優が出ているわけでもない(・・・と言っても、主役のLeonor Mansoさんという女優さんは本国では有名な演出家&舞台女優さんのようです)。そう、そんな地味な映画なのに、出演者の演技が素晴らしい!

一人暮らしの60歳の女性が、ある日突然、30年務めた挙句に退職金ももらえず仕事を失って、生きるために見つけた新たな職は「物乞い」。几帳面に上着をハンガーに掛ける仕草からしても、超堅物そうな女性が、最初は震えながら地下鉄の中で小さなカードを配り、「私はHIV保持者ですが、大勢の家族を養わなければなりません。どうぞ、そのカードを1ペソ(20円くらい?)で買ってください」等などと叫ぶのですが、誰も買ってくれません。(私が買ってあげたかった!)。全てを失ったと思っているルイーサですが、新たに得たものもある・・・そんな映画です。ルイーサのアパートの管理人さんも、物乞い仲間のおじいちゃんもいい味を出していて、じんわりよい映画でした。それにしても、電力会社に支払いに行って、さんざん並んだ末、「あ、システムがダウンしました。本社に行って下さい」とか、バスに乗っていたら途中で故障して、降りろと言われたり・・・アルゼンチンでは、そういうことは日常茶飯事で、そんなことにいちいち怒っていたら身が持たないのだろうなぁ・・と思いました。私が数年前、アルゼンチンに行った時も、航空会社のストでブエノスアイレス-イグアスの便に乗れなかったのですが、日本のオフィスも現地の旅行会社も結局、口ばかりで何もしてくれず、それっきりになってしまいました(泣)


そうそう、今日は久しぶりに日本のテレビドラマ、見ました!「流れ星」、水族館が舞台というので見ていたら、なんと江の島の水族館でした!!子どもの頃、よく行った水族館です。見ていたら、水族館に行きたくなってしまいました。江の島の水族館のウリのひとつはドラマにも出ていた「くらげ」ですが、私、OLをしていた頃、同僚男子に「くらげのところに嫁に行くしかないな」と言われたことがあります。ダイビングのライセンスを取るための実習で江の島の海に潜ったとき、なんと顔をくらげに刺されたのです。ものすごい痛さだったのですが、それより深刻なことは、顔半分が見るも無残に腫れあがったこと。しかも、当時、私は某会社のカウンター勤務。今から思えば、あの顔の社員をお客様の前に出したマネージャーもひどいと思うのですが、お客様もあまりに気の毒に思われたのか、苦情はありませんでした。あんなひどいくらげの足跡も、すっかり消してくれる年月とは、すごいものです。それにしても、竹ノ内豊ってかっこいいですね♪

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