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ラバンディンの香に包まれて、蒸留体験 [香]

飯能にある薬香草園で水蒸気蒸留を体験してきました。水蒸気蒸留は熱に弱くない植物の香成分が凝縮されたエッセンシャルオイル(精油)を抽出する方法です。エッセンシャルオイルの抽出方法としては最も伝統的な方法で、10世紀頃、アラビアの医者であり、哲学者でもある錬金術師イブン・シーナという人が確立したそうです。

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↑これはレプリカです。実際に使ったものは↓
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まず、大きな籠5杯のラバンティンを蒸留釜に入れます。
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ラバンディンは高地で生育するラベンダーと低地で生育するスパイクラベンダーの自然交配でできた雑種のラベンダーです。ラベンダーに含まれないカンファーというスッキリした成分が入っていて、筋肉痛を抑えたり、肌の炎症を抑える効果があります。

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空の蒸留釜の中
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ラバンディンを入れて・・・
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蓋をきっちりネジで固定したら、釜に水蒸気を注入!

15分くらいするとごぼごぼと液体が出てきて、エッセンシャルオイルはガラスの円筒の上部にたまり、フローラルウォーターは下部にたまり、別の容器にたまっていきます。↓
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そして、できたてのほやほや(でも熱くない)フローラルウォーターで化粧水とフェイシャルミルクを手作り。
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特にフェイシャルミルクは乳化ワックスを使ったのが初めてだったので、感動!!でも、ず~っとかき混ぜていたので、ちょっと手が疲れました~。

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完成品と抽出したエッセンシャルオイル&フローラルウォーター。

薬香草園にはレストランとパン屋さんもあって、そちらも魅力的!
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迷いに迷い、ローズデニッシュとローズラスク、それに人気NO1のバジルパン+焼き菓子を少々買いました♪
普段、お茶はマグカップで飲むことが圧倒的に多いのですが、今日ばかりはカップ&ソーサーで幸せをかみしめながら!?(ハリー・ウィンストンンの指輪を貰って文句を言ったと話題になっている人に比べたらずいぶん安上がりな幸せだなぁぁ。)
そして、今日のお花たち
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このお花はラムズイヤーというそうですが、本当に葉っぱの手触りがぬいぐるみみたい!
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精油の化学 [香]

ちゃんと記録しておこうと思っているイースター島のことはちょっと横においておき・・・。今日、ついにクリスマスの頃から始まったアロマのインストラクター特別集中コースが終わりました!朝10:30から17:00まで、宿題やテスト、発表もあり、本業が一番忙しい1月にはキツかったけれど、終わってみると楽しかったです。アロマはリフレッシュできるし、精油を使って化粧水やリップクリームを作るのが楽しくて、それはそれで特別に勉強しなくても、本を見ながら十分楽しめます。でも、もう一歩踏み込んでみると、ムズカ楽しい!

私は文系人間なので、「化学」は高校の授業以来、全く触れることも近寄ることもありませんでした。(でも、高校の化学の先生は大好きだったので、他の理系科目よりは頑張ったけれど[黒ハート]
そんな化学の勉強がアロマインストラクターには必須なのです!始めは見慣れない化学式や原素や分子のお話、有機化合物の分類とか、そのヘンテコな名前(テルペンとかケトンとか)・・・もう、目が点!でも、講師の先生が私のような理系ダメダメ人間でも何とか理解できるように、図を使ったり、わかりやすい例えで、教えて下さり、少しずつわかるようになってきました。(脂肪族化合物の炭素骨格は「蛇」、芳香族は「亀」、テルペン系は「馬」とか・・)そして、最終日の今日の特別講演では香料会社でお仕事をされている化学の専門家の先生のお話を伺いました。そこで、ラベンダーやクラリセージの精油成分であるリナロールの香等を嗅がせて頂いたのですが、精油としてその他の成分と合わさった香と、その成分だけの香の違いがとてもおもしろかったです。時間があればもっともっと他の成分の香も知りたかったデス。

そして、今日、一番「なるほど~」と思ったのはフィトンチッドという化学物質。植物は自ら移動できないので、ケミカルコミュニケーションといって、化学物質を放出することにより、他の植物に危険を知らせたり、害虫の被害を受けた時にその天敵を呼んだりするそうです。その中でフィトンチッドは樹木が傷つけられた時に発する化学物質で、いわば相手を攻撃する物質なのですが、これが人間には気持ちのよい森林の香としてリラックス作用があるそうなのです。森林浴が気持ちがいいのには、単に環境がいいからだけではなく「化学の力」もあったというわけです。

その時、私はイースター島で感じた体中が浄化されるような感覚を思い出しました。イースター島はパワースポットだというのを見聞きしたことがありますが、そのパワーの源は自然なのではないかなぁと私は思うのです。透き通った海と風。広々とした草原。そして太陽。そこにいるだけで心の底から幸せだなぁって思えるような場所だったのですが、きっと自然が静かにケミカルコミュニケーションを沢山していたのでは!??そして私は気づかないうちに自然から沢山のよいエネルギーをもらっていたんじゃないかな。


なぁんて・・・最近、何をするにも習ったばかりのことを使ってみたくなるのでした。


熟成 [香]

今日は朝から冷たい雨。ジムをさぼって一日、家にいることを決め込みました。明日は発表会だから、「ギターの練習を!」ということかも!?

さてさて、タイトルの「熟成」ですが、お酒のお話でもお味噌のお話でもありません。香りのお話です。

以前からアロマに興味があり、本を見ながら自分で化粧水やリップクリームなどを作っていたのですが、9月からはアロマの資格を取るための教室に通っています。自分だけではなく、他の人も癒してあげられたらいいなぁ~と思い、あれこれ調べてみると資格が必要らしいとわかったからです。

教室では実際にハンドクリームや化粧水を作る楽しい実習もあるのですが、全身文系人間の私には宇宙人語のように聞こえる脳の仕組みについての用語や、香り成分の用語などが次々と登場し、普段全く使ったことがない脳の部分がチクチク刺激されている感じです。そんな講義の中で教えて頂いた14世紀のハンガリーの王妃、エリザベートの為に作られた「ハンガリアンウォーター」を実際に作ってみました。ハンガリアンウォーターは「ハンガリア王妃の水」とか「若返りの水」などとも呼ばれています。世界初の香水として香水史に残っていますが、元々は70歳を過ぎ、手足が痛んでいた王妃のお薬として献上されたものだそうです。王妃はこのハンガリアンウォーターのおかげでで痛みも和らぎ、その上隣国ポーランドの20代の王子様に求婚されたとか!その効能は、神経症、リウマチ、睡眠障害、聴覚障害、視力低下、血栓、食欲不振等々で、万能薬とされ、ヨーロッパ各地に広まったそうです。

レシピ
精製水 40ml
無水エタノール 20ml
精油 ローズマリー 10滴、ペパーミント 6滴、ローズオットー 4滴(またはローズAbs 8滴)、レモン 3滴、オレンジスイート 3滴


作りたてのハンガリアンウォーターはスッキリとした香りですが、先生の8年もののハンガリアンウォーターの香りは、甘く深いとても落ち着く香りでした。そんな訳で、私も作ったハンガリアンウォーターを長く熟成させて、香りの変化を楽しみたいなぁと思っています。でも、8年もするうちになくなってしまうと困るから、もう少し作っておこうかな。そうそう、ハンガリアンウォーターに入っているレモンは光毒性という紫外線当たると皮膚にダメージを与える作用があるので、お出かけ前は使わない方がいいそうです。

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