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大雨の朝に思うこと [ひとりごと]

春は新しい出会いの季節。私もたくさんの新しい学生さんたちにようやく慣れてきたところです。

4月にたくさんの新しい顔と出会うのはいつものことですが、今年は少し戸惑うことがありました。ある教室に行くと、教室の隅に車椅子が置いてありました。でも、みんな普通に席についているので誰の車椅子かわかりません。私のクラスではよく学生さんに問題の答えを黒板に書いてもらうのですが、「どうしよう・・・」と内心、困りました。それでも、どうしても黒板に書いてもらいたい問題の時、順番に当てると、足が悪いのは留学生のCさんだとわかりました。短い距離は足を大きく引きずりながらですが歩くことができるので、その場は何事もなく過ぎました。

それでも私は足の悪いCさんをわざわざ立たせて黒板に書かせることに躊躇しました。でも、他の学生たちと同じ扱いをしないこともどうだろうと、またまたとても悩みました。ところが、その授業が終わり、カセットデッキやいろいろな教材をたくさん持って私が教室を出ようとした時のことです。Cさんが「手伝いましょうか?」と声をかけてくれました。とてもびっくりして振り返るとCさんが私の方に向って歩いてきて、教室のドアを開けてくれました。何だかすごく嬉しくて涙がでそうになりました。

それから私は迷いながらもCさんも他の学生たちと同じように黒板に書いてもらったり、スピーチの時は前の席に移動してもらったりするようにしました。

Cさんは大学から徒歩10分くらいのところで一人暮らしをしています。雨の時も車椅子用のレインコートを着て、ひとりで学校に来ます。大学の事務の人が電話をして車で迎えに行こうとしたところ、自分でできることは自分でしたい、と言ったそうです。・・かと言って、彼は無理をするわけではありません。風が強く車椅子では危険な時には、きちんと自分で判断して事務の方の好意に甘えてくれるそうです。

それでも、今朝のように雨がひどい時はCさん、大丈夫かなと、とても心配になります。でも学校に着いてみると杞憂!Cさんはいつも通り、元気一杯です。これまで一度の遅刻も欠席もありません。Cさんは日本に留学する前はオーストラリアに数年留学していました。将来は国際的な企業で働きたいと、今は日本語を一生懸命勉強中です。

授業が終わると雨も上がっていました。帰りのバスに向って歩いていると、「せんせ~い!」とCさんとKさんの声がしました。3人でゆっくりバス乗り場まで話しながら歩きました。今日は5時起きで疲れているはずなのに、ほのぼのとした気持ちでの帰宅となりました。
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ちんたろう

こんにちは。
晴れの日がしばらく続いたかと思えば、また雨ですね。
障害をもった人々をもっと助けていけないものか(国や自治体、企業、個人)と常々思います。大学の事務の方、送り迎えだなんて、えらいですね。
by ちんたろう (2008-06-21 11:47) 

いえろ

ちんたろうさん、こんにちは!ホント、今日もまた雨ですね。でも、「出かけない日」に限っては雨の音を聞きながら家でのんびり過ごすのも悪くないなぁ~と思っています。お互いを助け合うこと、自然にできるといいと私も思います。そういうことはキチンと大人が子供たちに教えないといけないのでしょうね・・・。
by いえろ (2008-06-22 12:20) 

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